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妊婦がインフルエンザになったらどうなる?

妊婦がインフルエンザになったらどうなる?

妊娠中にもし、インフルエンザになったら「胎児への影響は?」「重症化にならないの?」「薬を飲んでもいい?」…など気になることは多いですよね。今回は、実際にインフルエンザにかかった妊婦の体験談と、インフルエンザの予防についてご紹介します。

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インフルエンザにかかった時の体験談


〈妊娠発覚前に、子どもからインフルエンザがうつったケース〉

生理が遅れ、「あれ?もしかして妊娠?」と感じていた時期だった。幼稚園に通う4歳の長女がインフルエンザに。わたしは子どもの通院や看病で慌ただしい1週間を過ごすことになった。その間は、生理が遅れていたこともすっかり忘れ、妊娠検査は後回しになっていた。
そんな矢先、次はわたしの体調に変化が!急な倦怠感と悪寒に襲われ、あっという間に体温は39度まで上昇。まずは急いで自宅で妊娠検査薬を試したら、妊娠結果は陽性。「どうしよう…」真っ先に胎児への影響を考え、冷や汗がでた。
内科に行くべきか産婦人科に行くべきか悩んだけど、ほかの妊婦さんへの感染予防を考え、内科にかかることにした。インフルエンザ検査の結果、陽性。やっぱり…という感じ。
妊娠している可能性を告げたら、内科の先生は「イナビル」を処方してくれた。先生いわく、「イナビル」は吸入薬なので服用薬よりも胎児への影響は少ないとのこと。妊娠中でも使える薬があるなんて知らなかった。すぐに薬を吸入したら、そのおかげか、幸いにも翌日に熱は下がり、インフルエンザは重症化せずに済んだ。

約1週間後、改めて産婦人科を受診。この時、正式に妊娠7週目であると判明した。
「インフルエンザにかかったこと」「イナビルを処方されたこと」を伝えたところ、産婦人科の先生にも「胎児への影響は心配しなくて大丈夫」と言われ、ほっとした。
だけど…頭の片隅では「本当に大丈夫なの?」「元気に生まれてきてくれるかな」と不安は残り、その不安は妊娠期間中ずっと消えることはなかった。無事に出産の日を迎え、赤ちゃんを両手で抱いて、やっとインフルエンザによる不安から解放された気持ちになった。

〈妊娠7ヶ月に夫からインフルエンザがうつったケース〉

メディアでインフルエンザの流行が大きく取り上げられるようになってきた1月下旬。わたしはその頃、妊娠7ヶ月で体調もよかったので仕事も普段通りにこなしていた。
妊娠中は薬が飲めないと思っていたので、日々の予防に神経をとがらせていた。予防接種は10月のうちに済ませ、電車通勤中はもちろん、社内でも終日マスクを着用。手洗い・うがいの回数を増やし、持参したアルコールで除菌。空気の乾燥をふせぐため小型加湿器をデスクに置いていた。
そんなわたしに夫から一本のメール。
「熱で早退。病院行ったらインフルだった」

…愕然としましたよ。
よりによって夫がインフルエンザ!?
「妻が妊娠しているのだから、徹底的に予防してよ!」と言いたかったが、夫も高熱でぐったりしているだろう。なってしまったものは、今さら責めても仕方がない。
わたしは、家庭内感染を回避することに気持ちを切り替えることに。
まず、夫を別部屋に隔離し、タオルや食器は絶対に共有しない、接触時はマスク・手洗い・アルコール消毒を怠らない、加湿器フル稼働、と思いつく対策をすべて行った。

数日後、夫の熱は下がり、食欲も出てきた様子を見て、「あ~インフルエンザがうつらなくてよかった~」とほっとした。
しかし!安心するのはちょっと早かったよう。その夜、布団に入ったけど、なんだか体が冷えて全く眠れない。どれだけ布団をかぶってもガタガタ震える…。熱を測ると、38度3分。これは、嫌な予感。
翌朝、起きると頭がガンガンするし、体の節々が痛い…。熱は39度8分まで上昇している。久しぶりの高熱に体を動かすことも辛い。夫に病院へ連れて行ってもらいたかったけど、インフルエンザがやっと完治し、今日から出勤する予定の夫を休ませるわけにはいかない。
わたしは一人でタクシーに乗り、ふらふらしながらも何とか病院へ。検査の結果は夫と同じ、インフルエンザA型だった。先生から「妊婦が長時間高熱をだしている状態は胎児によくない」と言われ、タミフルと解熱剤のカロナールを処方された。

薬は飲めないものだと思っていたわたしは、本当に飲んで大丈夫なのか心配だったけど、医師から「妊娠中に服用しても赤ちゃんに影響は無い」と言われたので、飲むことにした。
さすが、薬の効果は絶大!飲むとすぐに熱が下がり、楽になったのでよく眠ることができた。翌朝には、解熱剤なしでも平熱になり、体の痛みもほとんどなくなっている!日ごとに体調は良くなり、無事、完治することができた。
インフルエンザが治ってから産婦人科に行き、お腹の赤ちゃんの様子を確認。元気に動いている姿をみて、ほっとひと安心。

今回、予防接種を含め、様々な予防を行っていたけど、抵抗力の弱い妊婦にとっては万全ではなかったよう。発症後すぐに対応したことで比較的スムーズに回復できたけど、もし自己判断で病院に行っていなかったらインフルエンザの症状が悪化していたかもしれないと思うと怖い。

〈つわり真っただ中の妊娠3ヶ月にインフルエンザになったケース〉

年賀状の作成に追われていた12月。わたしはちょうど妊娠3ヵ月で、つわり真っただ中だった。食べ物や飲み物のにおいで吐き気がし、食欲は激減。家では横になって休むことも多く、今年は大掃除もあまり手をつけられずにいた。
しかし年末年始は夫の実家(九州)に帰省し、親戚とともに年越しから年始をにぎやかに過ごすのが毎年の恒例。その恒例行事を長男の嫁が欠席するわけにいかないので、今年もつわりに苦しみながらも九州に帰省した。

混雑した新幹線は、さまざまなにおいが入り交じり、わたしにとって過酷だった。何とか実家に到着したが、嫁という立場上、そうゆっくり寝て過ごすわけにはいかない。お節づくりから年末年始の料理の準備などに追われた。気が張って忙しく動いていたからか、その時は逆につわりを忘れるほどだった。
しかし深夜になり体がだるくて目が覚めた。動悸がしているし熱があるように感じた。熱を測ると39度を超えていた。「これは大変だ!」と思ったものの、今日は1月2日。どこの病院も休診だった。水分補給を十分に行いながら、しばらく実家で休ませてもらうことにした。

1月2日・3日は39度前後の熱が続いていたが、1月4日の朝に37度台まで下がった。実家の近くに、1月4日から診療を開始していたクリニックがあったので、そこを受診したところ、インフルエンザ検査の結果は陽性だった。
発症から時間が経っているためインフルエンザの治療薬は処方されず、痛み止め薬と咳止め薬の処方と、養分補給の点滴をしてもらうことになった。
あれから数日経ち、1月7日になっても、いまだに微熱が続いていた。咳の症状もおさまらない。心配している夫と義母に後押しされ、内科も産婦人科もある総合病院に再び診てもらったところ、なんと、軽い肺炎になっていて、そのまま九州の病院に入院することに!まさかの展開…
入院先の病院でお腹の赤ちゃんの無事を確認してもらう。わたしとしては赤ちゃんのことが一番気がかりだったので、ここでひとまず安心できた。

先生によると、インフルエンザが直接赤ちゃんに深刻な影響を与えることはないが、母体の状態によっては流産・早産を引き起こすこともあるそう。総合病院を受診して肺炎であることに気が付き、すぐに対処してもらえ本当によかったなぁとつくづく感じた。
お正月にインフルエンザになるなんて思ってもみない災難だったけど、母子ともに大きな影響はなく無事出産することができた。その時、お腹にいた子は、今年で3歳。元気に成長してくれていることに感謝の気持ちでいっぱいです。

〈まさか?!出産間近の臨月でインフルエンザになったケース〉

妊娠中は、母子ともに特に問題もなく、マタニティーライフをのんびりと過ごしていた。臨月に入り、いよいよお産を意識しだした頃。
上の子どもがインフルエンザになってしまった。マスクをして看病していたが、しばらくしてわたしも発熱…。まさか…?!
早急に内科にかかり、検査をしてもらったら案の定インフルエンザという結果。タミフルを処方してもらい産婦人科へ連絡をした。

産婦人科の先生は、「赤ちゃんはもういつ出てきてもいい大きさに育っているし、大丈夫。薬を飲んで安静にするように。インフルエンザが完治してからお産が始まることを願いましょう」と大らかに状況をとらえている様子だった。
「こんな高熱&意識がもうろうとした中で陣痛がきたらどうなるの…?」考えれば考えるほど、不安になってきて思わず泣きそうになったけど、とにかく今は薬を飲んでお産までに体力が回復するように努めようと、気持ちを強く持った。

内科で処方されたタミフルのおかげで、高熱はすぐに下がり、症状も日ごとにおさまってきた。陣痛がきたのはインフルエンザ完治から2週間後。体力も十分に回復してから出てきてくれたわが子に感謝しています。

妊婦のインフルエンザの予防接種について


妊娠中でもインフルエンザの予防接種を受けることができます。WHO(世界保健機関)では、妊婦を優先対象としてインフルエンザの予防接種を推奨していますので、積極的に接種を検討してみましょう。

インフルエンザの予防接種は、罹患を100%防ぐというものではありませんが、万が一インフルエンザにかかった際に重症化するのを防ぐ効果が期待できます。また同時に、お腹の赤ちゃんにも免疫がつき、生後6ヶ月間ほどはインフルエンザにかかりにくくなることがわかっています。

妊婦さんとそのご家族は、インフルエンザが流行する前に、予防接種を受けておくと安心ですね。

インフルエンザの予防対策5選


インフルエンザの感染ルートは「飛沫」と「接触」です。そのため、同じ家で生活をする家族から感染するケースは多いです。家族がインフルエンザになった場合の予防対策を5つご紹介しましょう。

1. 手洗いの徹底
ウイルスが付いた手で口や鼻を触ると感染してしますので、家族全員それぞれが手洗いを徹底しましょう。
2. マスクをつける
感染者には、鼻と口を確実に覆うよう正しい方法でマスクをしてもらいましょう。使用後のマスクは放置せず、必ずごみ箱に捨てます。
3. 部屋を分ける
インフルエンザに感染した人はできるだけ別部屋で過ごしてもらいます。また、部屋の入口にはアルコールスプレーを置いておき、出入りする際はドアのノブや手を消毒するようにします。
4. 洗濯物は分ける
インフルエンザ患者の洗濯物は洗濯機に入れるまでビニール袋に入れておきます。タオルの共有も避けます。
5. 適正湿度を保つ
空気が乾燥すると、のどや鼻の粘膜の防御機能が低下するため、部屋は適正湿度(50%~60%)に保つようにしましょう。

まとめ


妊娠中でもインフルエンザにかかります。特に集団生活をしている子どもがいる家庭だと、いくら自分が気をつけていても、子どもから感染することも多いでしょう。

インフルエンザの体験談からもわかるように、妊娠中でも飲める薬はあるようですね。薬を飲まないことで症状が長引くなら、それは母体や胎児にとって逆に良くないとも考えられます。ただし、医師の中には妊婦に抗インフルエンザ薬を処方しないという人もいらっしゃるようです(インフルエンザは、薬を飲まなければ良くならないという病気ではないため)。
とにかく体調不良の際は、自己判断するのではなく、早めに医師の診察をうけるようにしましょうね。

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