病気

【産婦人科医 監修】月経前緊張症と漢方薬


【月経前緊張症とは】


月経前の数日~10日目あたりで、からだの痛みや、むくみ、冷えなどの身体症状や、いらいら、抑うつ、元気のなさ、などの精神症状 が目立つ方をよく見かけます。これらの症状を呈する方々を”月経前緊張症”と呼んでいます。

これらの方々は、更年期障害のように、エストロゲンの低下が原因ではありませんので、エストロゲンを投与しても改善せず、卵巣の働きについてのバランスの障害と考えられます。低容量ピルを用いて、起伏が強くなっているホルモン状態を平坦にすると、症状が楽になり、さらには、内膜が薄くなりますので、月経血が減少して、過多月経や月経痛も抑制されます。ただし、エストロゲンには、少数ではありますが、重篤な血栓症が報告されておりホルモンという言葉自体にご本人、ご家族が拒否反応を起こされることも珍しくありません。

【おすすめの漢方】


そこでお勧めしたいのが、女性漢方の定番、”加味逍遥散”です。”当帰芍薬散”、”桂枝茯苓丸”とならび、御三家と称されている名処方です。興奮、体上部のほてり、四肢の冷えが”改善され、イライラが強く、子供さんにあたっていた方には、特に効果があるようです。とにかく、効果発現が早く、お試し期間の2週間を過ぎて、手ごたえをお尋ねしますと、別人のごとく本来の姿を取り戻されていて、喜んでいただけています。副作用もあまりないことから、症状に心当たりがある方は、一度試されてはどうでしょう。

ただし、月経痛に対しては漢方薬のみでは力不足ですので、NSAIDなどの強化が望ましいと思われます。この分野でも、強弱はあり、加味逍遥散でいまひとつの場合は、抑肝散、桃核承気湯などがラインアップされていて、幅広い選択が可能です。

 

【記事監修:岡本産婦人科医院 院長 岡本 吉明】

・大阪産婦人科医会
・日本婦人科病理学会
・日本臨床細胞学会、評議員

一覧に戻る

不妊治療デビュー

コメント

コメントがありません。

コメントを書く

(全ての項目が必須入力となります)

ニックネーム

メールアドレス

※公開されません

コメント