妊娠
ようやく緊急事態宣言解除がなされ、医院の玄関に明かりが灯ったようです。コロナ渦における婦人科について総括しておきたく思います。
【カンジダ膣炎】
カンジタ膣炎が猛威を振るい、年末から今夏にかけて、とにかく多くの方が来院されました。(今日現在、いまだに勢いは衰えません・・・)
カンジタは性感染症とはいえず、普段でもたまに発症する方は大勢おられ、著明な外陰部の発赤と強烈なかゆみにより来院されます。今回はこれらレギュラーともいうべき方々に加え、これまでの人生で一度も罹患されたことのない方も多数発症されて、粉を吹いたような独特なビジュアルのおりものが膣内に大量に貯まります。かゆみがひどく寝ることが出来ずつい掻きむしってしまい、出血をきたすことも珍しくないようです。
また、これまでの場合、1週間から10日くらいで治癒することが多かったのですが、2週間以上かかったり、再燃したりしてつらい症状と戦っておられます。とにかく、速やかな治療が決め手ですので受診下さるようお願いします。
【アフターピル】
次にはあれだけニーズが多く、アフターピル希望の患者様の受診が目立っていたのが、減少しました。徐々に外出することがなくなって、一人暮らし同士が招く避妊失敗、・・・という筋書きだったのですが、コロナ禍の長さはカップルにストレスをもたらし、”営み”のパワーを下げたのではないかと思います。
ここ1カ月くらいで、やや戻って来つつありますが、ヤッぺ法が評価されなくりノルレボが一人勝ち状態になることも問題がありそうです。
【月経移動について】
婦人科では、夏なら、旅行、帰省、海水浴、秋になると運動会、冬は、正月さらには、受験・・、と、月経の移動を希望される方の受診が風物詩なのでしたが、この1年半ほどは、さすがに少なかったです。ここ2週間で修学旅行の予定が決まったり、運動会が開かれたり・・・と。ほぼ完全に戻っているようです。
さて、この月経の移動ですが、慣れると方法は簡単で使用する薬剤も副作用があまりなくて、子供さんには喜ばれます服薬開始と日数によっては早めに起こすことも可能で、ベテラン(?)の患者さんになると、錠数を自分で決めてこられる方もあります。保健の先生には、知っておいてほしいですね。
もう少しコロナ渦が落ち着いて、一杯やるのが、楽しみです。
【記事監修:岡本産婦人科医院 院長 岡本 吉明】
・大阪産婦人科医会
・日本婦人科病理学会
・日本臨床細胞学会、評議員
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