【産婦人科医 監修】 性病(性感染症)を知る ~単純ヘルペス・尖圭コンジローマ・トリコモナス~



 

STDは、まだいろいろあります。見ただけで一発診断できるもの、とにかく痛んでつらいもの、痛くないのが仇になり、気付かないうちにひどくなるもの・・・かゆくてたまらないもの・・・

今回は更に3つご紹介していきます。

【単純ヘルペス】


痛いものの代表、単純ヘルペスです。(帯状ヘルペスは、水痘の再発なので、STDではありません。)皮膚・口・唇・眼・性器に複数の小さい水疱ができる。それが破れると、口内炎のような潰瘍となり、外陰部全体に広がって、排尿が困難になるほど痛みが激しい。鼠蹊部のリンパ節が腫れ、発熱することもあります。

単純ヘルペスには、特効薬(バラシクロビル、アシクロビル)があり、とりあえずは、よく効くのですが、大きな問題になるのは、投与後、一旦は症状が治まっても治癒には至らず(根治できない!!)、ウイルスが皮膚、粘膜の表面から深く、骨盤内の神経に潜伏してしまうことです。

そのために、一度かかると、体調不良の折に目を覚ましたように、神経を通って表面に顔を出し、水疱~潰瘍を作ります。(患者さんによってはこの時にゾクゾク感があり、ほぼ同じ場所に病変を作るのが判るようです)

とにかくやっかいな連中です。年に3~4回症状が出ることもあります

また、妊婦さんでは、予定日ころに発症しますと、新生児への感染予防のため、帝王切開とならざるをえないこともあります。

【尖圭コンジローマ】


尖圭コンジローマは、子宮頸がんの原因であるHPV(ヒトパピローマウイルス)の仲間で、悪性にはならないグループの、6型や11型のウイルスが原因のSTDです。潜伏期数週~数か月を経て、外陰部、膣、肛門周囲、小さいイボイボができて、痛みがないために、何だろう・・と見ている間に徐々に大きくなり、ひどくなれば外陰全体が鶏冠の固まりのようになります。治療としては、麻酔をかけてレーザーや電気メスなどで、病巣を焼いたり、凍結したりします。最近は、病巣が小さければ、局所免疫を強めてウイルスをたたく、イミキモドというクリームが、婦人科のガイドラインで推奨されていますが、局部がただれたり、時間がかかったりして、つらい思いをします。梅毒の扁平コンジローマと名前は似ていますが別の疾患です。

【トリコモナス】


かゆみがとんでもなく強い、トリコモナスは、トリコモナス原虫による炎症でパートナー間で、ピンポン感染をきたす事がよくあります。また、感染者の年齢層が他のSTDよりも幅広く、中高年でもしばしば認められます。性交経験のない女性や幼児でも感染が見られることから、下着やタオル、便器や浴槽を通じた感染なども知られています。ご主人が風俗で・・・、ご本人が温泉で・・・というパターンが他のSTDに比べると多いようです。黄色、泡状の悪臭の強い帯下が増加し、おりものをそのまま、顕微鏡で見ると、洋梨に似た形のトリコモナスが、せわしなく動き回っていて、容易に観察できます。治療は抗菌剤(メトロニダゾール)の膣錠や内服ですが、パートナーと同時に治療することが重要です。帯下が残るとしぶとく復活してくるので、しっかり洗浄します。

 

【記事監修:岡本産婦人科医院 院長 岡本 吉明】

・大阪産婦人科医会
・日本婦人科病理学会
・日本臨床細胞学会、評議員

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不妊治療デビュー

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