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計画分娩って何?どんな時にどうやって行うのか解説します

計画分娩って何?どんな時にどうやって行うのか解説します

妊娠して出産情報を得る中で、出産にまつわる初めて聞く言葉って多いですよね?「計画分娩」もその中の一つではないでしょうか。「出産が計画的ってどういう意味?」「普通のお産とは何が違う?」「赤ちゃんに影響はない?」そんな疑問を一つ一つ解説します。

計画分娩って何のこと?


まず、計画分娩とは「分娩の日にちをあらかじめ決め、陣痛が始まる前に陣痛誘発剤などを使い陣痛を人工的に起こし、出産をする」ということです。

一言に「計画分娩」といっても、①「帝王切開」②「無痛分娩」③「陣痛促進剤を使用しての経膣分娩」と、大きく3つの分娩方法に分かれています。

計画分娩をする場合は、「母体や胎児の状況によって、帝王切開または陣痛促進剤を使い出産したほうがいい」と医師が判断した場合。また、「お母さんの希望で無痛分娩を希望する場合」です。

1つの目の場合は、医師が必要と判断すれば、ほとんどすべての分娩施設で行うことができます(助産院の場合は提携している病院で行う)。しかし、2つ目の無痛分娩ができる施設は限られており、もし無痛分娩を希望するのであれば、早めに病院を探しておくことが必要です。

計画分娩のメリット


◆赤ちゃんの誕生日がある程度選べる
通常のお産の場合、出産予定日はあるものの、いつなんどき陣痛が来るかわからないものです。また、それは夜中であったり早朝であったりと、なかなかスムーズに動ける時間ではないことが多くあります。

しかし計画分娩の場合は、陣痛が始まる前に陣痛促進剤を使うか、帝王切開であれば手術として日程が決まっている、また無痛分娩も日本の病院ではあらかじめ日程を決めているところが多く、ある程度の出産日時を前もって決めることができます。

上にお子さんがいる方は、入院中にだれかにお世話をお願いするため大きなメリットとなります。また単身赴任中のご主人がいる場合や里帰り出産の場合も、家族が「出産に間に合わなかった」などということが少なくなります。

もちろん計画分娩を選択した場合でも、その日程の前に陣痛が来てしまうこともあります。

計画分娩デメリット


◆費用が高い
医師が、医学的な理由から判断した帝王切開では保険が適用されるため高額になりませんが、無痛分娩の場合、普通分娩の出産費用にプラス5~10万円程度高くなる傾向があります。施設によって違いはありますから、費用面でもチェックをしてから病院を選ぶとよいでしょう。

◆無痛分娩で麻酔を使うことにより陣痛が弱まることへのリスク
陣痛が弱まることによりお産が長引くこともあります。分娩時間が長いと母体・赤ちゃんへの負担も大きくなるため、お母さんや赤ちゃんの力だけで出産することが難しくなってきます。そのため、吸引や鉗子などの医療機器を使用したり、緊急帝王切開に切り替えることもあります。

◆過強陣痛への注意
陣痛促進剤を使った出産のリスクとして「過強陣痛(かきょうじんつう)」というものがあります。陣痛が強くなりすぎた結果、胎児に負担がかかってしまう、という状態です。

陣痛促進剤を使うことにより、過剰に陣痛が起きてしまい、子宮口の開きや赤ちゃんが出てくる準備が足りないまま陣痛だけが強くなり、場合によっては子宮破裂の危険性も出てきます。この場合、母体、また赤ちゃんの容態が急変する可能性は自然分娩より高くなります。

このリスクを回避するために、分娩監視装置を常に使用し、妊婦さんのおなかの張り具合や、赤ちゃんの状態などを常に監視しながら行います。

日本で無痛分娩が流行しているの?


近年、無痛分娩に関するニュースや記事をよく見かけます。欧米諸国では一般的に行われている出産方法ではありますが、日本では数こそ多くなっているものの、まだ一般に浸透しているとは言い切れないようです。

お産での陣痛への恐怖心や不安のストレスをやわらげ、産後の回復も早いとされる無痛分娩。ライフスタイルなどの変化により取り入れられることが多くなってきてはいますが、日本では欧米のように24時間体制で無痛分娩にのぞめる施設が非常に少ない状態です。

また、無痛分娩と聞くと「まったく痛みのない分娩」と勘違いされやすいですが、麻酔で眠らされるわけではなく、途中お母さんの「いきみ」も必要となるため、痛みが軽くなる、というだけで、通常のお産と変わりがないことも覚えておきましょう。

無痛分娩は計画分娩でしかできない?


実は無痛分娩は陣痛を待ってから行う方法もあります。主に海外ではこの方法で無痛分娩を行っていることが多くあります。しかし日本には365日24時間体制で無痛分娩に対応できる施設が非常に少なく、希望する無痛分娩を行う場合、計画分娩で前もって日程を決めてから出産する施設がほとんどです。

計画分娩はいつから可能?


◆帝王切開の場合
赤ちゃんが問題なく育っている場合、最適な時期は、38週目とされています。これより早い時期は赤ちゃんが十分に成熟していない可能性があるため、多くの病院がこの時期に帝王切開を行います。

◆陣痛促進剤を使用しての経膣分娩の場合
この場合、次の理由によって陣痛促進剤を使うことが多くあります。①過期妊娠②前期破水③妊娠中毒④胎盤機能不全⑤微弱陣痛、などです。赤ちゃんが予定日より遅れていたり、母体が心配だったりした場合は陣痛促進剤を使用しての分娩になりますが、これは医師と相談して日程を決めていきます。

◆無痛分娩の場合
病院によって違いはあるものの、出産予定日の前後2~3週間の間で日程を設定する病院が多いようです。しかしこの場合は、母体・赤ちゃんともに良好な状態で自然分娩に準じる出産が期待できる場合、とされていることが多く、それ以外の場合は医師との相談が必要でしょう。

計画分娩の流れ


◆帝王切開の場合
手術前日に入院→前夜から絶食→手術当日、手術に向けての点滴などの準備→手術→赤ちゃんとの対面。となります。手術に使われる麻酔は局部麻酔を使う施設が多く、生まれたばかりの赤ちゃんをすぐ見ることも、産声を聴くこともできます。

陣痛が来る前に手術することを前提としているため、陣痛が早めに来てしまった場合を除き、陣痛は来ません。陣痛が来てしまった場合は緊急帝王切開となります。

◆陣痛促進剤を使っての経膣分娩
過期妊娠は予定日を過ぎてもなかなか陣痛が来ない場合なので、医師と相談し「何日後に」という流れが起きますが、あまり日程を考慮できないものであります。また前期破水なども、破水してからの対処となるので、なかなか心づもりというのは難しいかもしれません。

◆無痛分娩
日本の無痛分娩は、計画分娩が多いため、帝王切開のように前日に入院して行うことがほとんどのようです。また、麻酔を使用するために、夕食後は出産が終わるまで絶食します。

出産当日は、浣腸後、子宮口を柔らかくするための薬を服用します。その後分娩室に移動し、分娩監視装置をつけ、陣痛の強さを確認しながら促進剤をや麻酔を打っていきます。

最後に


計画分娩と聞くと普通のお産とかけ離れているようにも思えますが、「自ら選べる分娩」と「医療介入をすることで母子が安全に出産できると判断された場合」と分けられていますね。出産日を決めるのも、お母さんの希望(クリスマスに生みたいなど)を考慮するだけでなく、しっかりとした医学的判断のもと行われているようです。

昨今、出産方法も様々な方法を選択できるようになってきました。特に無痛分娩を希望する場合は、疑問点をできるだけなくして安心して出産できるように医師によく相談することをおすすめします。


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