病気

赤ちゃんが黄疸(おうだん)と言われたらどうなるの?

赤ちゃんが黄疸と言われたらどうなるの?

出産を経験されている方であれば、「黄疸(おうだん)」という言葉を一度は聞いたことがあると思いますが、詳しくどういうものなのか知っていますか?出産を控えている方も含めて、もし我が子が黄疸と言われたらどうなるのか、事前に知っておきましょう。

黄疸ってどんな症状?


●新生児黄疸
黄疸とは、赤血球の分解されたあとの物質であるビリルビンが増加(高ビリルビン血症)するために、皮膚や粘膜(白目の部分)にたまり黄色になった状態をいいます。

新生児期には、おなかの中で胎盤を通してでも呼吸ができるように持っていた赤ちゃん赤血球がまだたくさんあり、このため赤黒く見えるため「赤ちゃん」といわれているわけです。生まれてくると、 胎児期にはそのように数の多かった赤血球が破壊されることによってビリルビンがたくさん作られます。しかし新生児期には、まだ肝臓でビリルビンを処理する働き(グルクロン酸抱合)が不十分。その結果、十分にビリルビンが排出されず、黄疸という症状が出てくるのです。

また黄疸にも、生理的になる黄疸と、病的な黄疸と二種類があります。

●新生児生理的黄疸
新生児にみられる生理的黄疸は、90%前後の新生児におこります。ということは、ほとんどの新生児に黄疸はみとめられるというわけです。これは、新生児生理的黄疸とよばれます。ふつう生後2~3日にあらわれ、4~5日目ごろが最も強くなり、1~2週間で消えていきます。
これは、肝臓の働きが未熟なため起こる黄疸で、消化管と肝臓の機能が成長するに伴い自然に消えていくので、特に心配はありません。
また、母乳がしっかり飲めていない場合にも黄疸がでることがあります。多くの場合が、母乳がまだ十分に分泌されていないため、哺乳量が少なく排便回数も少ないので、ビリルビンの排出が滞り、黄疸が出てしまうのです。そのため、哺乳量が増やすために母乳が十分に分泌されるまではミルクを足すようにしましょう。

●母乳性黄疸
母乳で育てると黄疸が長引いてしまうことがあります。これは母乳性黄疸とよばれますが、黄疸以外に問題はありませんので、特別の治療を必要としません。
通常、生理的黄疸は約2週間で消えていきますが、2週間以上続く場合はミルクより母乳で育てている赤ちゃんに多いと言われています。
ときに母乳をやめるように指導されている場合がありますが、その必要はないという考え方が主流のようです。かえって母乳が出なくなりますので、ミルクを足しながらも母乳をあげることはやめないようにしましょう。

●病的黄疸
新生児期の病的黄疸の原因には、ビリルビンが過剰に産生される場合(溶血性黄疸)、肝臓のビリルビン処理機能が劣る場合(新生児肝炎症候群・未熟児)、胆汁の排泄が障害される場合(先天性胆道閉鎖症)などがあります。
病的黄疸の経過は、上に述べた生理的黄疸の経過とは異なり、生後24時間以内に黄疸があらわれたり、異常に強い黄疸を呈したり、あるいは黄疸以外の症状を伴っていたり、1ヶ月以上黄疸が消失しなかったりするものです。
または、黄疸と一緒に、哺乳がうまくできない、もしくは飲まない、または呼吸困難や発熱がある、うんちの色が白っぽいなどの症状がみられる場合は、注意が必要です。

後遺症や命の危険も?


黄疸の原因となる血中のビリルビンが異常に増加した状態を「高ビリルビン血症」といいます。高ビリルビン血症は黄疸の危険な合併症である核黄疸の原因となります。
核黄疸とは、ビリルビンのために脳神経細胞が障害されておこる疾病で、命の危険性もあり、死を免れてものちに脳性麻痺を残す可能性があります。
全身がぐったりしていて反応が無かったり、哺乳力が弱かったりする場合は特に注意しましょう。
核黄疸が進行すると、四肢のつっぱりや体の反り、黒目の一部が下のまぶたに隠れているなどの状態が見受けられ、やがてはチアノーゼ(肌などが青黒くなること)やけいれんが見られるようになります。
様子が何かおかしいと感じたら、ただちに医療機関を受診してください。

治療が必要な黄疸とは?


生理的な黄疸、母乳性黄疸であれば、上記でも説明した通り自然に治るため、治療の必要はありません。
何度も授乳をし、排便回数を増やしていけば、ビリルビンの排出を促すことができるので、黄疸の予防や緩和、早期治療にもつながります。上記でもお話しましたが、母乳だけで育てていて、黄疸の症状が長引いている場合は、通常通り母乳をあげながら、ミルクを足してあげましょう。
治療が必要となるのは、病的黄疸の場合です。これは溶血性黄疸や先天性胆道閉鎖症による黄疸、感染症による黄疸など、自然治療が見込めない病気の黄疸です。

では、どのような治療が必要なのでしょうか。

治療方法はどんなものがある?


病的黄疸の主な治療方法は2つ。光線療法と交換輸血です。

●光線療法
特別な光線を当てることによってビリルビンの排泄が容易になります。光線の助けで肝臓への負担が減り、ビリルビンを体外へ排泄できるようになります。
光線療法は医学的に立証された治療法で、25年以上も使用されています。つい最近までは光線療法は病院内でしか出来ない治療法でしたが、現在では持ち歩きのできるポータブル型のものが開発され自宅での治療が可能となりました。

●交換輸血
ビリルビン値がとても高く、光線療法が効かない場合(重度の高ビリルビン血症のケース)は、血液を交換する治療(交換輸血)や、グロブリンを投与することが行われます。

赤ちゃんへの影響は大丈夫?


光線療法は基本的には安全な治療法であると言われています。
治療をする時は失明や視力の低下を防ぐための目隠しとして、アイマスクを必ずつけます。
目に当たる量を極力抑えられるよう、足元から光線をあてるという方法もあるようです。
副作用としては、下痢や発疹などが可能性としてあげられます。そのため、副作用の兆候にすぐに気が付けるよう、常に観察しながら行われます。
光線により脱水になる場合もあるので、適切なタイミングで授乳を行う必要があります。

まとめ


黄疸というのは、新生児にはよく見られる症状ですので安心してください。
万が一光線治療を行わなくてはならない場合、その姿を見ると胸が苦しくなることもあるかと思いますが、安全な治療かつ大事な治療なので応援してあげましょう。
ですが、まれに病気が潜んでいる黄疸もあるため、症状が長引くなど、通常の経過と違う場合、黄疸ともに発熱や哺乳不足などの症状を見られたら、すぐに医療機関に受診しましょう。
早期発見によって後遺症の可能性を低くすることができます。
保護者が赤ちゃんの様子を小まめに観察することが大切です。スキンシップと一緒に、しっかり我が子を見守ってあげましょう。



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