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妊娠・出産にまつわる国や自治体などの助成まとめ

妊娠・出産にまつわる国や自治体などの助成まとめ

 

大変幸せなことですが、何かと費用のかかる妊娠・出産。妊娠を喜んだのもつかの間、金銭面で不安を抱えている人も多いでしょう。そこで今回は妊婦・出産にまつわる国や自治体などの助成を、不妊治療や産後の助成も含めてまとめました。

 

妊娠前の助成:風疹抗体検査及び予防接種


妊娠・出産の準備は、妊娠前から始まっているともいえます。その中の1つが予防接種です。

妊娠中にかかると恐ろしい病気は多々ありますが、特に予防しておきたいのは、ここ数年広がりを見せている風疹です。
妊娠中に風疹になってしまうと、胎児に感染し、心疾患や白内障、難聴などの子どもが生まれる可能性があるのです。妊娠中は風疹の予防接種を打つことができないので、妊娠を希望しているタイミングで風疹抗体検査及び予防接種を受けておく必要があります。

病院によって費用は異なりますが、8,000円前後が相場です。自治体によって、この費用を負担してくれる場合があります。全額負担や一部負担に加え、妊娠を希望している女性の配偶者も無料で予防接種を受けられる自治体もあります。

 

妊娠前の助成:特定不妊治療助成金


不妊治療をしている夫婦に対して、国が助成金を出しています。
条件は以下の通りです。

1) 特定不妊治療以外の治療法によっては妊娠の見込みがないか、又は極めて少ないと医師に診断された法律上の婚姻をしている夫婦
2)治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満である夫婦

所得制限があり、夫婦合算で年収730万円以下となっています。また事実婚の夫婦には適用されません。

すべての不妊治療に対して助成があるわけではなく、特定不妊治療に限られています。特定不妊治療とは、特に高額の医療費がかかる体外受精及び顕微授精のことです。
ただし、特定不妊治療を受ける前に、排卵誘発剤や人工授精などの不妊治療を行ったが妊娠できなかった場合にのみ適用されます。

治療期間の初日における妻の年齢が40歳未満場合は通算6回まで、40歳以上の場合は通算3回まで、1回につき15万円が助成されます(初回に限り30万円)。ただし、凍結胚移植などの場合は7.5万円です。また男性が精子を精巣又は精巣上体から採取するための手術を行なった場合は、これとは別に1回につき15万円が助成されます。

以上は国による助成です。自治体オリジナルの助成制度を設けていることもあるので、お住いの自治体について調べてみてください。

 

妊婦健診の助成:妊婦健康診査受診票(補助券)


妊娠して出産するまでには、一般的に14回程度の健診を受けることになります。妊娠は病気ではないため、健康保険は適用にならず、すべて全額負担になります。妊婦健診は自由診療のため健診費用は病院によって様々です。血液検査などは費用が高額になることもあり、合計10万〜15万円程度必要となります。

そんな妊婦健診の助成は、妊婦健康診査受診票(補助券)です。お住いの自治体で母子手帳を受け取る際に一緒に受け取ることができます。
助成の内容は自治体によって異なりますが、少ない自治体でも6万円程度、多い自治体であれば12万円以上のこともあります。
受診の際に補助券を忘れると使えない場合もありますので、注意しましょう。

 

妊婦中の助成:傷病手当金


妊娠が病気ではないため、傷病手当は関係がないと考えている人も多いのではないでしょうか。実は、妊娠中にもこの傷病手当が利用できる可能性があります。それは働いている人が、つわり(悪阻)や切迫早産などの傷病診断を受けた場合です。健康保険組合に申請をすると、標準報酬日額の3分の2の額の傷病手当金を受け取ることができます。
ただし、産前42日と産後の56日の産休期間中に受け取れる出産手当金と重複して受け取ることができません。どちらにも該当する場合は出産一時金が優先されます。

 

出産の助成:出産育児一時金


健康保険に加入していることが条件です。出産する本人が被保険者でなく、
被扶養者であっても問題ありません。被扶養者の場合、被保険者との関係性は問わずですから、夫以外、例えばご両親やご兄弟であっても受給できますので安心してください。

出産費用も妊婦健診と同じで病院によって異なり、地域の平均にも差がありますが、全国の平均値を見てみると50万円前後の費用がかかるとされています。

こちらの助成としては出産育児一時金があります。こちらは働いている(被保険者)、いない(被扶養者)に関わらず、保険に入っている人には被保険者の標準報酬月額に関わらず定額で42万円が支給されます。

内訳は妊娠85日以上で出産されたすべての子ども1人につき40万4,000円と、在胎週数22週以降かつ産科医療補償制度加入の医療機関等による医学的管理のもとによる出産の場合は、16,000円が加算されることにより、42万円となります。
産科医療補償制度は、現在はほぼ全ての医療機関が加入しているため、一般的に支給額は42万円ととらえられています。
またこちらは1人につき支払われるため、双子であれば84万円、三つ子であれば126万円となります。

健康保険組合によって、5〜10万円程度の付加金を独自給付している場合もあります。

妊娠85日以上(妊娠4か月以上)で出産した場合、早産、死産、中絶(治療によるものに限る)の場合でも受け取ることができます。

受給の方法には「直接支払制度」、「受取代理制度」、「産後申請方式」があります。
一般的には「直接支払い制度」が利用されています。病院で所定の手続きを行えば、健康保険組合から医療機関に直接出産育児一時金が支払われます。50万円程度の出産費用を一時的にでも建て替える必要がなく、手続きも簡単です。
「受取代理制度」は、小規模な医療機関で利用されていることがあります。直接支払い制度とあまり変わりませんが、医療機関ではなく、健康保険組合への直接申請が必要です。
「産後申請方式」は、一度医療機関の窓口で出産費用を全額支払ったあと、健康保険組合に申請をして受給する方法です。一度大金を用意しなければなりませんが、クレジットカードが使用できる医療機関で出産をした場合などは、高額支払いによって多くのポイントが得られるメリットがあります。

 

医療費全体への助成:高額医療費控除


妊婦健診や出産の際、助成があってもそれなりの実費が発生します。そんな時忘れずに申請したいのがこの高額医療費控除です。

医療費控除とは、国税庁によると「自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族のために医療費を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。これを医療費控除といいます。」とされています。

つまり妊娠・出産にまつわる費用だけではなく、それ以外の病気などで支払った医療費、家族のために支払った医療費も含めたすべての医療費に対して適用され、合計が10万円以上(所得200万円未満の人は所得の5%を超えた場合)であれば、その一部が還付されるというわけです

医療費控除の対象は、妊婦健診補助券や出産育児一時金の金額を差し引いた額で10万円を超えた場合ですので、注意しましょう。また自己都合で選択した際に発生する差額ベッド代も適用外となります。

また忘れず加えておきたいのが、妊婦健診の通院費用や出産時に病院へ向かうときのタクシー代です。ただし、公共交通機関の利用は通院費として申請できますが、自家用車で通院した際のガソリン代や駐車場代は適用外ですし、通院時のタクシー利用も適用外となります。残念ながら里帰りの交通費も適用外です。

区切りはその年の1月1日から12月31日までの間であるため、すべての妊婦健診費用と出産費用の合計とならない場合も多いです。

申請には、各税務署にて「医療費控除の明細書」などを提出して確定申告を行います。医療費の領収書の提出または提示は不要となりましたが、医療費の領収書は5年間保管する必要がありますので、無くしたり、捨ててしまったりしないように注意しましょう。

 

妊娠・出産にまつわる国や自治体などの助成まとめ

出産前後の助成(被保険者のみ)①:出産手当金


出産する妊婦自身が健康保険の被保険者である場合(働いている場合)に、出産日以前42日(双子以上の多胎であれば出産日以前98日)から出産の翌日以後56日までの範囲で会社を休んだ日数分に対し、支払われるものです。

産前産後の育児休業中に、企業が給与を支払う義務はなく収入が減ってしまうことをサポートする目的です。出産手当金の支給期間は、健康保険料、年金保険料、雇用保険料なども免除されることになっています。

支給額は1日あたり、支給対象者の標準報酬日額の3分の2に相当する金額(1円未満四捨五入)です。標準報酬日額とは、「標準報酬月額の30分の1」として計算されます。

健康保険の被保険者(本人加入)である会社員や公務員であれば、正社員、派遣社員、アルバイト・パートなどの勤務形態は問いません。

ただし出産のために休業していて、会社からの給与の支給がない、または出産一時金よりも少ない給与しか受け取っていない場合に対象となります。つまり休業中にも会社から給与が支払われている場合、出産一時金と給与の両方を受け取ることはできません。

申請には、会社または社会保険事務所へ、申請書と勤務実態や給与が確認できる書類の提出が必要です。

基本的には、退職すると受給資格を失いますが、「退職日以前に1年以上勤務している」「退職日が出産手当金の支給日に含まれている」「退職日は、産休中などで給与が発生していない期間である」という3つの項目を満たしている場合、受給は可能です。

 

出産後の助成(被保険者のみ)①:育児休業給付金


産休中に「健康保険」から支給されるのが「出産手当金」、育児休業中に「雇用保険」から支給されるのが、この「育児休業給付金」です。

休業してから180日は給与の67%、その後は50%が支払われます。
支払われる金額は、賃金上限42万6,900円(下限は69,000円)ですので、これ以上の給与をもらっていた人は、67%または50%に満たない金額となります。

育児休業給付は、基本的に1歳になるまでの受け取りですが、保育所に入所できなかったなどの理由がある場合は、最大で2歳になる誕生日の前々日まで延長が可能です。

手続きには、雇用先を通じてハローワークに申請をしてもらうことになります。専任の担当者がいない会社であれば、申請の進み具合を確認しておきましょう。

 

妊娠・出産にまつわる国や自治体などの助成まとめ

出産後の制度:失業給付の延長措置


出産に対する助成金というわけではありませんが、妊娠出産で退職をした人が失業給付金を受け取れるようにするための制度があります。
妊娠出産を機に退職をした場合、基本的にはすぐに求職活動をして就業することはできません。失業給付の受給期間は1年以内とされているため、受給しきれない可能性があります。そこで失業手当の受給期間を最長で4年に延長できる制度が設けられているのです。

妊娠出産による退職は自己都合になるため3ヶ月の給付制限期間があります。給付期間を延長してもこの給付制限期間は変わりませんので、もし1年後に求職活動を開始した場合は、7日間の待機期間の後すぐに受給が開始できます。

この制度を利用するためには、退職日翌日から30日目のさらに翌日から1ヶ月以内にハローワークに申請しましょう。

 

出産後の助成:児童手当


出産後に受けられる手当に、児童手当があります。これは0歳〜15歳になった3月31日まで子ども1人につき5,000円〜15,000円を受け取ることができる制度です。

0歳〜3歳未満は15,000円、3歳~小学校修了前は10,000円(第1子、第2子)または15,000円(第3子以降)、中学生(15歳の3月31日まで)は10,000円となっています。

所得制限の限度額を超えている場合は、一律5,000円の支給となります。
所得制限の限度額と、給与収入の目安は以下の通りです。

扶養親族等の数 所得制限の限度額 給与収入の目安
0人 622万円 833.3万円
1人 660万円 875.6万円
2人 698万円 917.8万円
3人 736万円 960万円
4人 774万円 1,002.1万円
5人 812万円 1,042.1万円

児童手当を受給するには「児童手当認定請求書兼額改定請求書」を提出する必要があります。
出生届の提出のために市役所や区役所に行った際、同時に手続きを行っておくと良いでしょう。

 

最後に


妊婦健診の補助券は母子手帳の受け取りと同時にもらえますが、それ以外は基本的に手続きを行わなければ受け取ることができません。申請期限や受け取り期限が設けられていることも多いですので、どのような制度があるのかを事前にしっかり頭に入れておき、もれなく申請、受給できるようにしてくださいね。

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