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今の医療技術でできる男女産み分けってどんなもの?

今の医療技術でできる男女産み分けってどんなもの?

様々な事情で「男の子がほしい!」「次こそは女この子が欲しい!」という強い希望を持つ夫婦は多くいらっしゃるかと思います。でも、産み分けって一体どうするの?そんな疑問にお応えして、今の医療技術ではどんな産み分け方があるのかを見ていきましょう。

性別ってどのように決まるの?


まず、一体赤ちゃんの性別はどのように決まるのでしょうか。
実は、赤ちゃんの性別は、卵子と精子の受精のタイミングに決まります。

卵子へたどり着くのが「X染色体の精子」か「Y染色体の精子」のどちらかで決まるのです。
染色体とは遺伝子がひとかたまりになったものを指し、男女で種類が異なっています。女性の場合は「XX染色体」、男性の場合は「XY染色体」と呼ばれています。
そして、女性の卵子は「X染色体」だけを持っており、男性の精子は「X染色体」もしくは「Y染色体」を持っています。

つまり女の子の性別は「X染色体」をもつ精子が卵子と受精する事によって、「XX染色体」となり、女の子が生まれてきます。
男の子の性別は、「Y染色体」を持つ精子が卵子に受精すれば「XY染色体」となり、男の子が生まれてくるのです。
このように、赤ちゃんの性別は卵子と精子が受精した段階で決まっているのです。

どちらかの染色体の精子と受精できるかが決め手になるため、産み分けを成功させるためには受精のタイミングが重要となります。

精子の染色体の特徴


性別の決め手となる染色体には、X染色体とY染色体のそれぞれに性質の特徴があります。
まず、特徴を理解したうえで産み分けに挑戦した方が取り組みやすいかもしれません。

■女の子を作るX染色体の特徴
・寿命が2~3日
・運動量が少ない
・Y染色体より数が少ない
・酸性に強くアルカリ性に弱い

■男の子を作るY染色体の特徴
・寿命が1日
・運動量が多い
・X染色体より2倍の数
・アルカリ性に強く酸性に弱い

女性の膣内は、バイ菌を防ぐために常に酸性を保っています。しかし、排卵日の直前になるとアルカリ性粘液が排出され膣内はアルカリ性となるのです。また、性交渉の際に、女性が絶頂期を迎えるとアルカリ性になります。
それを踏まえ、上記の染色体の特徴を理解してみると男の子ができるタイミング、また女の子ができるタイミングが分かってくるかと思います。
つまり、膣内が酸性のときに女の子を作るX染色体を持つ精子が生き残りやすく、膣内がアルカリ性の時に男の子を作るY染色体を持つ精子が生き残りやすくなるというわけです。

では、上記の基礎知識を踏まえ、今の医療技術でどのような産み分け法があるのでしょうか。

着床前診断


「着床前診断」とは、受精卵の段階で遺伝子の染色体を細かく分析し、着床して妊娠する段階の前に、遺伝子や染色体に異常がないかを調べる医療技術の事です。
「着床前診断」には、「着床前単一遺伝子診断(PGT-M)」と「着床前胚スクリーニング(PGS)」、「着床前染色体異数性診断(PGT-A)」の3つの種類があります。
「着床前単一遺伝子診断(PGT-M)」とは、パパまたはママがある特定の遺伝する可能性のある病気を持っていた際に、遺伝子の染色体に特定の病気の遺伝子が混ざっていないかを確認する診断です。
また、「着床前胚スクリーニング(PGS)」とは、流産を減らして着床する確率を上げる目的で行う診断です。
そして、「着床前染色体異数性診断(PGT-A)」とは、突然起こる染色体の異常がないかを確認するための診断です。

着床しやすく流産の可能性も低くし、さらに染色体に異常がない受精卵を選んで子宮に戻す技術には、着床前診断としてほとんどこの「着床前染色体異数性診断」が実施されています。

また、体外受精の妊娠率を高めたり、流産の予防をしたり、男女の性別を事前に知ることも可能なのです。
つまり、産み分けとして確実な方法は、この着床前診断と言えるでしょう。

これまで、着床前診断は国内では受けることがとても難しかったのです。ですが、2015年に日本産科婦人科学会により、2017年末までに予備試験として女性100人を対象に実施し、そして2018年から3年間、女性300人を対象に臨床研究がされているのです。

しかし、現状では「産み分け」としての着床前診断実施は日本では禁止されています。以前では、タイなど海外に渡航して着床前診断を受ける方が多くいらっしゃったのです。ですが、そのタイですら男女産み分けを目的とした着床前診断が違法となってしまい、現在では海外での産み分けを行うことも困難になってきています。
とはいえ、だんだんと着床前診断は日本国内でも解禁され、実績数も増えていっていますので、今後に期待できるかもしれませんね。

パーコール法


パーコール法とは、人工授精の方法の1つです。
日本の医療機関で唯一行われている人工授精による産み分け法です。
パーコール法とは、基本的には不妊治療に用いられる体外受精と同じで、受精させるための精子の採取の方法が違うのです。

■どうやって採取するの?
パパの精液をパーコール液に入れ、遠心分離機によって染色体を男の子と女の子の染色体に分離します。
女の子と男の子、それぞれの精子は重さが異なり、女の子の精子の方が重く、下にたまりやすいため、その溜まっている精子を採取し受精することで女の子が生まれやすくなります。

しかし、成功率は60%前後と言われています。
そして、治療にかかる費用は1回5万円。そして、受精するまでに何度も行わなければならないため、費用が非常にかさみます。そして、治療費の他に人工授精費用や排卵誘発剤などの様々な費用や、注射手数料、処方料などもかかってきますので、高額になります。それを踏まえたうえで実施を試みましょう。

産み分けゼリー


産み分けを考えている多くの方がご存知かと思いますが、産み分けゼリーという商品も市場に出回っています。
では、どんな製品なのでしょうか。

■どうやって使うの?
日本で販売されている多くの産み分けゼリーは、性行為の前に膣内に入れてローションのように潤滑剤として使用します。男の子用、女の子用と、性別によってゼリーが販売されています。
インターネットなどで手軽に購入できるので、試しやすいかもしれませんね。

■本当に産み分けできるの?
産み分けゼリーで確実に産み分けできるか…というのは、科学的には証明されていません。
ゼリーを使うことによって膣内の酸性度をコントロールするという目的とされています。
科学的に証明されていないということは、確実とは言い切れませんね…。

ゼリーのメリットとしては、パパさんに負担が掛からないのが一番のメリットかもしれませんね。他の方法だと病院に行き、精液をコップに出してもらう…などの必要があります。パパさんからするとかなり腰が重たいですよね。そして、低価格でチャレンジもしやすく買いやすい!そして、容器も使い捨てのため、衛生的で安全な方法と言えるでしょう。

最後に


今の時代、医療技術が進んでいるとは言え、やはり100%の確率で性別をコントロールするというのは難しいようです。
神様の贈り物としての命をコントロールできる方法がもしこの世にあれば、男女比率はもっと偏りがあるかもしれません。
産み分けしたい!という強い思いをお持ちになる気持ちも非常に分かります。(筆者自身、男の子2人のママなので、確実に女の子ならば3人目も…と考えてしまいます)
でも、性別関わらず生まれて来てくれた我が子はみんなかわいく愛おしいはずです。
「生まれて来てくれてありがとう」そんな気持ちで愛してあげましょう。


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